UHDのクライアントワーク価値基準・行動指針

UHDのクライアントワーク価値基準・行動指針

梅本健太梅本健太公開日:2025/08/283分

目次

UHD のクライアントワーク価値基準・行動指針

I. UHD の約束

"AI を使って考えられないスピードで成果を出す"

過去の経験ではあり得ないスピードで問題が解決されたりアウトプットが出てくると、大いに信頼を獲得することができ、次の仕事につながります。
この信頼の連鎖が企業を成長させていくものと考えています。
しかし早いだけではダメで、その成果物の方向性が正しく、そして質が高いことが重要です。
過去の経験に裏打ちされ、クライアントの要求を正しく理解し、要点を絞って成果物を定義し、そのゴールまでのプロセスを AI を使って爆速で達成する、ということが必要です。

"当たり前のことを当たり前にやる"

この「爆速」のアプローチは、クライアントとの深い信頼関係があって初めて成立します。
そしてその信頼は、最終的な成果物だけで得られるものではありません。
むしろ、納期を守る、迅速で丁寧な報告・連絡・相談(報連相)を徹底する、相手の立場を想像した細やかな気遣いを見せるといった、『当たり前のことを、誰よりも徹底してやる』姿勢が全ての土台となります。
この盤石な信頼基盤があるからこそ、クライアントは私たちに高速な開発プロセスを安心して任せることができます。

II. UHD が大切にしている 5 つの価値基準

前のめりなスピード感

  • 早く、前のめりな対応。頼んだ 1 時間後に終わってる。頼む前から終わっている。
    • 経験と適切な優先度付けに基づくスピード感で、経験のない他の人に頼むよりも 10 倍早い
  • 質問事項への回答やプロトタイプの実装が全て迅速
  • 短期間でのプロジェクト推進

クライアントを上回る問題解決力

  • 経験に基づいた的確なアドバイス
    • 「すでに一度、似たような課題で頭を捻ったことがある」という経験が大きな時間短縮の価値を提供する
  • 的確な課題分析とソリューション提供
  • 相手が求めていることを先読みして、それを先に提案

最新技術への知見と経験の深さ

  • 生成 AI の最先端の知見を豊富に保有
  • 知見だけではなく、実用的なサービスに落とし込むためのノウハウを持っている
  • 様々な業界での開発事例を有している

要点を絞ったクオリティの提供

  • もっとも重要な品質事項を特定することができる
    • 誰が使うのか、誰が運用するのか、将来どうなるのか、の奥行きのある未来予想をして重要な品質事項を決めることができる
  • システムや運用の全体像を見据えた高品質なシステムの提供
  • 論点ベースでタスク設計をする
    • 「達成したい目標は何か?」をまず明確化させ、そこからサブ論点とタスクを設計してコミュニケーションを行う。

信頼の土台となる、徹底したあたりまえ行動

  • 期待を超える報連相の徹底。報告は聞かれる前に、連絡は即時に、相談は躊躇なく。
  • 締め切りやアウトプット品質など、全ての約束を絶対に守る。
    • 問題やリスクの兆候は、判明した瞬間に解決策を添えて報告する。
  • 議事録の即時共有やネクストアクションの明確化など、相手の立場に立った細やかな気遣いを実践する。
  • 期待値マネジメントの徹底。仕事に着手する前に、ゴールと期待値のすり合わせを徹底する。

(補足)見落としがちなあたりまえ行動

行動 (Action)重要な理由・目的
メモを取る指示や決定事項を正確に記憶し、後から確認できるようにするため。「言った・言わない」の齟齬を防ぐ。
議事録を作成・共有する会議での決定事項と担当者を明確にし、関係者全員の認識を揃えるため。欠席者への情報共有も兼ねる。
会議や打ち合わせはカレンダーで招待する関係者の時間を確実に確保し、ダブルブッキングを防ぐため。会議の目的やアジェンダ、 URL を一元管理できる。
期限を厳守するプロジェクト全体の進捗を止めないため。個人の信頼を築き、チームのスムーズな連携を支える基本。
古いドキュメントは気づいた人が更新する情報の鮮度を保ち、チーム全体の生産性を上げるため。「誰かがやるだろう」ではなく、気づいた人が行動する文化を作る。
不明確な点は即座に確認する認識のズレによる手戻りを防ぐため。5 分の確認を怠ったことで、数日分の作業が無駄になることを避ける。
会議の開始時刻を守る参加者全員の時間を尊重するため。5 分の遅刻が、6 人の会議では 30 分の時間を奪うことになる。
受け取った連絡にはリアクションをする相手に「伝わった」ことを知らせ、安心させるため。「承知しました」の一言や絵文字一つで、無用な確認の手間を省ける。
自身のタスクをリスト化し管理する対応漏れを防ぎ、優先順位を明確にするため。自身の業務量を可視化し、計画的に仕事を進める土台となる。
会議の目的とアジェンダを事前に確認する会議の時間を有意義にするため。事前に論点を把握し、自分の意見を準備しておくことで、議論の質が高まる。
感謝を言葉で伝える良好な人間関係を築き、チームの協力を促進するため。「ありがとうございます」の一言が、次の「助けてほしい」を言いやすくする。
ミスをしたら、まず認めて報告する被害を最小限に抑えるため。隠すことは状況を悪化させるだけ。迅速な報告と対策が信頼を維持する鍵となる。
ファイルやフォルダを整理整頓する情報へのアクセス性を高め、探す時間を削減するため。自分だけでなく、チームメンバーへの配慮でもある。
得た知見やノウハウをチームに共有するチーム全体のスキルレベルを底上げするため。情報の属人化を防ぎ、組織として強くなる。
決定事項の背景も簡潔に共有する「A 案に決まりました」という事実だけでなく、「B 案も良かったが、コスト面で A 案が採用された」といった背景を共有することで、関係者の納得感を高め、方針への理解を深めるため。
自分で考え抜く時間と相談するタイミングを決めておく一人で抱え込みすぎて手遅れになるのを防ぐため。「30 分考えて分からなければ〇〇さんに聞く」と決めておくことで、個人の成長とチーム全体のスピードを両立させる。
相談する前に、論点と選択肢、自分の意見を準備する「どうしましょうか?」と丸投げするのではなく、「〇〇について、A 案と B 案があります。私は △△ という理由で A 案が良いと思いますが、いかがでしょうか?」と相談することで、議論の質を高め、相手の時間を奪わずに素早く結論を出すため。
ミスは個人を責めず、チームで振り返り、仕組みで再発を防ぐ迅速な報告を称賛し、原因分析と対策をチーム全体で行うことで、挑戦を恐れない文化を作る。
素晴らしい行動は、積極的に称賛し、チームに共有するUHD のバリューを体現した行動(例:顧客からの感謝、素晴らしい提案など)を積極的に共有し、全員の目標とする。

III. 価値基準に則した行動指針

エンジニア編

受託開発、SES の現場、自社サービスの開発、これらの現場で実際にエンジニアとして UHD の価値基準を実現するために必要なことを列挙していきます。

「前のめりのスピード感」を実現するためのアクション

  • 技術的な難しさや未経験の領域では、まず LLM に相談し、素早く情報を収集して解決策を見出す
  • LLM を効果的に活用することで、開発スピードを維持しつつ、問題解決を加速させる
  • cursor 等を利用し、手作業で設計やコーディングをせず、「まず AI にやらせる」を徹底する
  • LLM で解決できない場合は、ドキュメントを調べたり、自分で考えたりと、短時間で集中的に取り組む
  • それでも解決できない場合、経験者に相談する
  • このサイクルを高速に回転させることで、スピーディな開発を実現する

「クライアントを上回る問題解決力」を実現するためのアクション

  • 過去のプロジェクト経験をメモ(データベース化)し、類似課題に迅速にアクセスできるようにする
  • アイデアを素早くプロトタイプに落とし可視化する
  • クライアントの課題を技術的側面だけでなく、ビジネス的側面からも深く理解する
    • 自分がもしこの事業をするならどうするか、を考えながら気になることをなんでも聞いてみる
  • 課題の背景や制約条件を踏まえ、最適なソリューションを提案する

「最新技術への知見と経験の深さ」を実現するためのアクション

  • 生成 AI の最先端の知見の動向を常にチェックし、実用的なサービスに落とし込むためのノウハウを持つために実際に触れてみたり開発する
  • 新技術の導入前に、小規模な PoC(概念実証)プロジェクトを実施する

「要点を絞ったクオリティの提供」を実現するためのアクション

  • 本当に時間をかけるべき部分を見極め、その部分のクオリティを上げる
    • そのために
      • 早い段階で動作するプロトタイプを作成し、先方からのフィードバックを得る
      • フィードバックを基に、継続的に改善を行い、品質を高めていく
  • ユーザー視点に立ち、使いやすく直感的なインターフェースを設計する。優れた類似サービスを真似る
    • UI/UX めっちゃ大事 → 裏でどれだけすごいことやっていても最終的なインパクトはここに集約される

「信頼の土台となる、徹底したあたりまえ行動」を実現するためのアクション

  • 不具合やリスクの兆候は、判明した瞬間に解決策を添えて報告する
    • 不具合やリスクの兆候は、判明した瞬間に解決策を添えて報告する。解決策が見出せない場合は、そのまま報告する。
  • 動くだけでなく「読みやすい」コードを書く
    • 未来の自分や他の人が読んでも理解できるように、変数名や関数名を分かりやすくし、処理の塊を適切に分割します。
  • バージョン管理を適切に使う:
    • git などを利用し、変更履歴をきちんと残します。コミットメッセージには「何をしたか」「なぜそうしたか」を簡潔に書きます。
  • テストを書く
    • 自分の書いたコードが期待通りに動くことを保証し、未来の変更で壊れていないかを確認するために、最低限のテストを作成します。

SES 編

SES 業務における我々は、UHD の価値をクライアントのチーム内で直接体現する「大使」のような存在です。
クライアントのルールや文化を尊重しつつ、その中で UHD ならではの価値をいかに発揮し、単なる「作業者」から「不可欠なパートナー」へと進化するかが重要となります。

「前のめりのスピード感」を実現するためのアクション

  • 与えられたタスクが振られた時点で簡単な見積もりを脳内で行い、その時点で次のタスクの指示が必要な場合は次のタスクまで相談しておく。
    • タスクが完了してから指示を待つのではなく「次に着手すべきタスクはどれでしょうか?」と常に自ら仕事を求める姿勢を見せ、手待ち時間をゼロにします。
  • どうしても空き時間が発生する場合は、その間にドキュメント整理やリファクタリングなど、チームに貢献できる別の作業を見つけて主体的に動きます。
  • チームのリーダーや PM の立場を常に意識し、「このタスクが終わったら、次は何が必要になるか?」を常に予測し、準備しておく
    • 会議の際に、予測される次のタスクや論点を「ネクストステップ案」として考えておく・議題にする

「クライアントを上回る問題解決力」を実現するためのアクション

  • 「言われたことだけやる」からの脱却

    • 振られたタスクに関連するタスクを見つけ、それらのタスクを積極的に行うように提案する
    • 依頼されたタスクの背景にある「なぜこれが必要なのか」「目的は何か」を常に考え・ヒアリングし、目的を達成するためのより良い代替案や抜け漏れなどがあれば積極的に提案する
    • チームのルールを尊重しつつ、「この部分をこう変えれば、チーム全体の効率が上がるかもしれません」と、あくまでチームへの貢献という視点で提案する
  • 定例や日々の業務における「気づき」の共有

    • 「ここの手作業はスクリプトで自動化できそうです」「この API はドキュメントが古いようなので更新案を作成しました」など、契約範囲外であってもチーム全体の生産性向上に繋がる改善点を積極的に発見し、報告・提案します。
  • チーム内で存在感を出すために積極的に問題に対処する

    • 誰もが分かってはいるが口にしていない問題や懸念事項がある場合、自分が率先して対応していくことで信頼につながります。
    • 例えば WBS に記載されていないが重要なタスクを議題に上げたり、後工程で必要になる情報を事前に集めて整理しておく、空中戦になりそうが議論は事前に叩き台や図を作成しておくなど

「最新技術への知見と経験の深さ」を実現するためのアクション

  • クライアントが使用している技術スタックが古い場合でも、UHD が持つ最新の知見を活かし、「現在のシステムに、この新しい技術をこう応用すれば、この課題を解決できます」といった形で、現場に寄り添った技術導入の提案を行います。
  • いきなり大規模な導入提案をするのではなく、チームの雑談などで「最近こんな便利なツールがあって、〇〇の作業が半分になりました」といった形で情報を共有し、少しずつ新しい技術への興味関心を引き出します。

「要点を絞ったクオリティの提供」を実現するためのアクション

  • チーム全体の「隠れた優先順位」の明確化
    • チームリーダーや上長が多忙で指示が曖昧な場合でも、「この機能で最も重要な点は〇〇という認識で合っていますか?」など、こちらから要点を定義し、認識をすり合わせることで手戻りを防ぎます。
  • テストとドキュメントにおける価値発揮
    • ただコードを書くだけでなく、重要なロジックに対するテストコードを厚めに書いたり、他の人が参照しやすいようにドキュメントを整備したりすることで、システムの将来的な安定性という「目に見えにくい品質」で貢献します。

「信頼の土台となる、徹底したあたりまえ行動」を実現するためのアクション

  • 過剰なくらいの報告・連絡・相談
    • 客先に常駐しているからこそ、UHD 社内への状況共有は極めて重要です。日報や分報などを活用し、現在のタスク、課題、クライアントの状況などを UHD のメンバーに密に共有し、組織としてのサポートを受けられる状態を維持します。
  • 現場のキーパーソンとの良好な人間関係の構築
    • 技術力だけでなく、気持ちの良い挨拶や丁寧なコミュニケーションを心がけ、現場のリーダーやメンバーから信頼される存在を目指します。「この人になら安心して任せられる」という信頼関係が、より裁量のある仕事や難しい課題を任せてもらうための土台となります。

コミュニケーション 編

UHD の事業はクライアントありきの事業であり、クライアントの満足度が売上に直結すると言っても過言ではありません。
アウトプットが最高のものであることも重要だが、その過程であるコミュニケーションも顧客満足度を最大化するために欠かせないものです。
技術的なスキルアップは数ヶ月の鍛錬が必要であるが、コミュニケーションは今日から改善できるので、今日から実践していきましょう。

  • 打ち合わせ時刻やタスクの締め切りを厳守する

    • クライアントとの打ち合わせはもちろん、社内の定例なども時刻を厳守する。
    • 信頼で成り立っている事業のため、細かいところで信頼を失わないようにする。
  • 間違った敬語や表現を正す

    • テキスト上のコミュニケーションの際は「御社」ではなく「貴社」を使用する。
    • 「すみません」→「申し訳ございません」にする。
    • 「できますか?」→「可能でしょうか?」または「できますでしょうか?」にする。
    • 「お願いできますか?」→「お願いしてもよろしいでしょうか?」
    • 「すみませんが、」→「恐れ入りますが、」
    • 「知っていますか?」→「ご存知でしょうか?」
    • 「確認しました」→「確認いたしました」
  • 基本返信の速度

    • なるべく早く返信する。返信に時間が必要な場合はそれ自体を迅速に伝える。「xx の検討に少しお時間をいただきます。」など。
    • なぜ重要か?:迅速な返信は、UHD の「前のめりなスピード感」を象徴する行動です。相手に安心感を与え、プロジェクトの停滞を防ぐことで、「信頼の土台」を築きます。
  • リスケ連絡

    • 定例 MTG の時間帯をどうしてもずらしたい時がある。その場合はなるべく早めにクライアントに連絡を入れ、最低でも 24 時間以上前にする。

IV. UHD が評価しないこと

完璧主義

成果物の重要でない細部にまでこだわり、時間をかけすぎること。
30%の完成度でまずは作成し、フィードバックをもらい、事前に方向性を調整することが手戻りを防ぎ、結果仕事のスピードを加速させます。

言うことをなんでも聞く

上司やクライアントの言葉をそのまま聞いている、という状況は自分の中で仮説を持っていないという状況。
クライアントを上回る問題解決力を持って反論する、要点を絞ったクオリティを提供するために優先順位の交渉をする、などのアクションを起こす。