
Perceptis AIを試してみた ── コンサル品質のスライドをAIで生成するってどういうこと?
はじめに
スライド生成AIはここ1〜2年で一気に選択肢が増えました。
GammaやBeautiful.aiといったツールを使ったことがある人も多いと思いますが、今回紹介する Perceptis はそれらとは少し違うアプローチを取っています。
「コンサル品質のスライドを、AIで」というコンセプトのサービスで、デザインよりも 論理構造 に重きを置いているのが特徴です。
この記事では、Perceptisがどんなサービスなのか、実際に触ってみてどうだったかを書いていきます。他ツールとの比較検証については別途まとめる予定なので、まずはPerceptis単体の話を中心に。
Perceptisってどんなサービス?
Perceptisは、2024年創業のシアトル発のスタートアップ(親会社名:Whiteboard Intelligence, Inc.)が開発したAI駆動のプレゼンテーション生成プラットフォームです。
2026年3月に一般公開されたばかりで、かなり新しいサービスです。
一言で言うと、 「コンサルタント・アナリスト・ストラテジスト向けに特化したスライド生成AI」 です。
公式サイトでは自分たちをこう表現しています。
"Like Gamma, but for grown-ups."
Gammaを知っている人には刺さるコピーですよね。GammaはUIがきれいで使いやすいスライド生成ツールとして有名ですが、どちらかというとデザイン面の問題を解決するツール。一方でPerceptisは「 デザインの問題じゃなくて、考え方(ストーリー構造)の問題を解くAI 」だという主張です。
創業メンバーがすごい
これは触れておきたいのですが、創業者の2人がかなりの経歴です。
- Alibek Dostiyarov (CEO):マッキンゼーで8年のキャリアを積んだ後、GoogleやAmazonを経て創業
- Yersultan Sapar (CTO):AppleのAI・ML特殊プロジェクトチーム出身、HBOやIPSYでの経歴も持つ
マッキンゼーでのプレゼン文化を直接プロダクトに落とし込んだ、というのがPerceptisの設計思想の根幹にあります。なんか説得力がありますよね。
シードラウンドで360万ドルを調達済みで、戦略・コンサル系の企業200社以上に使われているとのことです。
他のスライド生成AIと何が違うのか
スライド生成AIといえば、GammaやBeautiful.ai、SlidesGPT、イルシルなどいろいろありますよね。Perceptisはこれらとどう違うのか。
整理すると、大きく3つの特徴があります。
1. 「デザイン」ではなく「論理構造(ストーリーライン)」を生成する
一般的なスライド生成AIは、テーマを入力するときれいなスライドが出てきます。でも正直、「で、このスライドで何を伝えたいの?」という部分はあまり考えてくれない。
Perceptisは、マッキンゼー・BCG・ベイン(いわゆるMBBコンサルファーム)で使われているトップダウンストーリーライン設計の考え方をベースにしています。つまり:
- 主張(Key Message)が明確か
- MECE(漏れなくダブりなく)な構成になっているか
- 主張→根拠→証拠の流れが一貫しているか
こういう観点でスライドの「中身の論理」を設計してくれます。
2. 自分のデータを「ソース」として使える
Perceptisの大きな特徴の一つが、 自社のデータや資料をアップロードして、それに基づいてスライドを生成できる 点です。
一般的なスライド生成AIは、公開情報やAI自身の知識から内容を作ります。でもビジネスの現場で本当に欲しいのは、「自分たちのデータを使ったスライド」ですよね。決算資料でも、社内レポートでも、過去のデッキでもOK。
さらに、生成されたスライドの すべての主張にソース(引用元)が紐づいている という設計になっています。「このデータ、どこから来たの?」と聞かれたときにちゃんと答えられる、というのはコンサル現場では死活問題なので、この設計思想はよく分かります。
3. 企業テンプレートへの対応・SOC-2準拠
企業で使う場合に重要なのが、 組織のテンプレート(会社のロゴやブランドカラーを使ったPowerPointのフォーマット)に合わせてスライドを生成できる 点。
BusinessプランやEnterpriseプランでは、自社テンプレートをPerceptisに登録することができます。毎回「このフォーマットで作って」と指定しなくていい。
セキュリティ面でもSOC-2準拠(Day 1から)、組織ごとにデータが完全に分離されているとのこと。社外秘のデータをアップロードして使うことを想定した設計です。
実際の使い方の流れ
使い方はシンプルです。基本的には3ステップ。
- ブリーフィングを入力する :「誰に」「何のために」「何を伝えるか」を記述し、必要なら関連データや過去のデッキを添付する
- Perceptisがデッキを構成する :ストーリーラインを設計し、ソースに基づいてコンテンツを生成・フォーマットする
- PowerPointをダウンロードして調整する :完全に編集可能なファイルが出力される
.pptx
生成されたスライドはブラウザ上でも確認できますが、最終的にPowerPointファイルとして手元に持っていけます。
料金プランについて
2026年4月現在の料金プランはこんな感じです。
| プラン | 月額 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| Free | 無料 | 月5枚まで作成可。pptxダウンロード可 |
| Starter | $29 | 月額。枚数上限が上がる |
| Business | $390 | カスタムテンプレート対応、チーム共有 |
| Enterprise | $1500~ | 大規模チーム・高度なセキュリティ |
無料プランでも月5枚のスライドをpptxダウンロードまで試せるので、まずはそれで感触を掴むのが良さそうです。
ただ、料金設定はわりとお高めです。Gammaが月$8〜程度であることと比べると、Perceptisは明らかに「個人の趣味で使う」というより「プロフェッショナルな企業用途」を想定した価格設計です。
実際に使ってみた感想
テーマとプロンプト
今回試したプロンプトはこちら。
あなたはBtoB営業に精通したコンサルタントです。 以下の情報をもとに、企業の担当者向けに「RankOfBaseball(RoB)」との事業提携を提案するプレゼンテーション資料を作成してください。 【サービス概要】 RankOfBaseball(RoB)は、草野球チーム・プレイヤー向けのマッチング・ランキングプラットフォームです。 独自のポイント制ランキングシステムにより、チーム同士が実力に見合った対戦相手とマッチングでき、 試合結果が全国・地域ランキングに反映されます。 チームメンバー募集、助っ人募集、グラウンド検索など、草野球に関わるあらゆる機能を提供しています。 今後は審判マッチング機能、ランキング上位チームによるオフライン大会も予定しています。 【ユーザー属性】 - 登録チーム数:500チーム以上(全国拡大中) - 登録プレイヤー数:3,000名以上 - 中心層:週末に定期活動する20〜40代の社会人男性 - 特徴:勝敗・ランクにこだわる競技志向が高く、チームへのエンゲージメントが強い 【提案の目的】 企業担当者に対して、RoBとのBtoB提携のメリットを伝え、具体的な提携検討につなげること。 【提携スキームの提案(複数案を提示してください)】 以下のような提携モデルを複数案として盛り込み、それぞれのメリットを整理してください。 - 案A:アプリ内広告・バナー掲載(ブランド認知) - 案B:大会・イベントスポンサー(オフライン大会への協賛) - 案C:ユーザーへのサービス・クーポン提供(直接的なユーザー獲得) - 案D:データ連携・API提携(グラウンド予約サービス、スポーツ用品ECなど) 【資料の構成】 1. エグゼクティブサマリー(提携で得られる価値を一言で) 2. 草野球市場の規模と可能性(国内草野球人口、市場規模) 3. RoBのサービス概要とユーザー特性 4. 提携によって企業が得られるメリット 5. 提携スキーム提案(上記4案をわかりやすく図解) 6. 今後のロードマップ 7. 次のアクション(商談・お問い合わせへの誘導) 【デザイン要件】 - ブランドカラー:赤(#D32F2F)・黒(#1A1A1A)をベースに使用 - ビジネス資料として信頼感のあるシンプルなデザイン - グラフや図解を積極的に活用して視覚的にわかりやすく - 読者は企業の営業・マーケティング・事業開発担当者を想定 【出力形式】 プレゼンテーション形式(スライド)でPowerPointファイルとして出力してください。
生成されたスライド
実際に出てきたスライドを見て最初に思ったのが、「 コンサル資料っぽい 」という感覚です。一般的なAIスライドって、なんとなく「それっぽいけどふわっとしてる」感じがあるんですが、Perceptisの出力は各スライドにメッセージラインがあって、構成の流れがしっかりしている。
スライドのデザイン自体はGammaほど華やかではないですが、「ビジネスの現場で使える」という観点では十分な完成度だと感じました。
日本語での生成も問題ありませんでした。プロンプトを日本語で入力すれば日本語のスライドが出てきます。
気になったところ
一方で、気になる点もいくつかありました。
まず、 カスタムテーマ(独自のブランドカラー)の設定がBusinessプラン以上必要 という点。月$390は結構ハードルが高い。無料プランやStarterプランでは4種類のデフォルトのカラーセットから選ぶことしかできません。
それから、 グラフや複雑な図解の描画 については、他のツールと比べてどの程度の表現力があるかは引き続き検証中です。
他ツールとの比較は別記事で
今回はPerceptis単体の紹介にとどめましたが、Claude Cowork・Codex・Manus・NotebookLM・Gensparkと同じプロンプトを投げて生成結果を比較した検証記事も別途公開予定です。
どのツールが何に向いているのか、実際のスライドを見比べながらまとめているので、興味がある方はそちらもぜひ。
まとめ
Perceptisは、 「きれいなスライドを作りたい」ではなく「伝わるスライドを作りたい」人向けのツール だと感じました。
コンサルタントやアナリストのような、構造的なプレゼンが必要な職種にとっては、かなり刺さる設計だと思います。「スライドを作る時間を短縮したい」だけでなく、「スライドの質そのものを上げたい」という課題に向き合っているのがPerceptisのユニークなところです。
ただ、料金面では個人利用にはかなり高め。チームや企業での利用を前提に検討するのが現実的かなという印象です。
まずは無料プラン(月5枚)で試してみて、「これはいける」と思ったら有料プランを検討する、という流れが良いと思います。