受託開発を行ってみて

受託開発を行ってみて

池本 雅昭
池本 雅昭公開日:2025/10/151分

目次

はじめに

UHDではこれまでSES(準委任)での開発支援や、社内での自社サービス開発を中心に行ってきました。
そんな中で、今回ご縁があり、とあるクライアント様のシステムを「受託開発」として開発することになりました。

今回は、UHDとして請け負う形での開発において、
チームとしてどのように動き、どんな工夫や発見があったのかを振り返ります。

今回の取り組みが、今後システム開発をご検討されている企業様や、受託開発をより良く進めたい方の参考になれば幸いです。

プロジェクト概要

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クライアント・サービス情報

  • クライアント名:株式会社GALOAS
  • サービス名:メモる ~ 想い出の保管庫 ~
  • サービスURL:https://memoru-klotho.com
  • サービス概要:日常の写真・動画・想い出を蓄積し、ポイントを使ってオリジナルムービーを制作依頼できるサービス。恋人・親子・ペットなど様々なテーマで利用可能です。

課題・目的

  • 利用者が日々の思い出を気軽に残し、時間が経ってからでも振り返ることができる体験を提供したい
  • 写真 / 動画を”ただ保管する”だけではなく、価値のある形、ムービーに変換するサービスを提供したい
  • サービスの強みとして、「積立ポイント制」、「UI/UXの親しみやすさ」を実現したい

UHDとしての役割・担当範囲

  • 要件定義:クライアントへのヒアリング、仕様の整理、必要機能の一覧化
  • 設計:画面構成・データベース設計・データ定義
  • フロントエンド開発:Next.jsによるユーザー画面/管理画面の実装
  • バックエンド開発:DB設計、データ定義、API設計、動画保存 / 変換処理、ポイント管理ロジック
  • インフラ構成:ストレージ設計、サーバ運用設計
  • テスト/ QA:単体テスト、結合テスト、負荷テスト、総合テスト

技術スタック

技術・ツール
フロントエンドNext.js(React / TypeScript)
バックエンドSupabase
インフラCloudflare
ホスティングVercel

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本プロジェクトでは、サーバーレス構成を意識し、
バックエンドにSupabase、インフラにCloudflareを採用しました。
小規模チームでも高速に開発でき、将来的な拡張にも対応しやすい構成です。

開発の進め方

今回の開発では、最初から最後まで「スピードと透明性」を大切にしながら進めました。
特に初期フェーズでは、クライアント様との共通認識づくりに重点を置いています。

1. デザインのイメージをAIで可視化

サービスの全体像をつかむため、まずはv0(AIデザインサービス)を活用してデザインイメージを生成しました。
いきなり詳細設計に入るのではなく、まずは「どんなサービス体験を提供したいか」をビジュアルで共有することで、方向性のズレを最小限に抑えることができました。

2. 画面一覧・画面遷移図で全体構成を整理

デザインの方向性が固まったあと、画面一覧表と画面遷移図を作成し、
「どの画面が必要で、どう繋がるか」を整理しました。
この段階でクライアント様と一度合意をとり、
全体像を共有した上で、各機能の仕様検討へと進みました。

3. 仕様の検討と確認フロー

設計段階では、考慮が必要な項目を一覧化し、
クライアント様から逐次ご回答をいただく形式で仕様を固めていきました。
「どの部分が確定・保留・検討中なのか」が常に可視化されていたため、
コミュニケーションの齟齬も少なく、スムーズに設計を完了できました。

4. 実装フェーズ

全体の設計が固まった段階で、実装へ移行しました。
フロントエンド・バックエンドを並行して進めつつ、
必要に応じて都度クライアント様とやり取りを行い、不明点を即時解消していくスタイルで進行。
開発中もチャットツールやオンラインMTGを活用し、認識の差分をその都度修正していきました。

5. UHDの進め方の特徴

UHDでは、要件を文書化すること以上に、
「チーム全体で同じ絵を見ながら開発すること」を大切にしています。
今回も、AIを活用したデザインイメージ共有 → 構成図による合意形成 → 仕様確定 → 実装
というシンプルかつ透明性の高いプロセスで進めることができました。

クライアントとの共創スタイル

今回の開発では、単に「受託する側・発注する側」という関係ではなく、
同じチームとしてサービスを育てるという意識で取り組みました。

クライアント様側からの利用者目線での意見やアイデアをベースに、
UHD側からも仕様やUIの改善提案を積極的に行い、
一緒に“より良い体験”を形にしていきました。

特に設計初期の段階では、v0で作成したデザインイメージをもとに
意思決定をスピーディーに進められたことが印象的でした。
“どちらかが要件を一方的に決める”のではなく、
対話を重ねながらサービス像を磨いていくことで、
結果的に開発全体がスムーズに進行しました。

UHDでは、今後も「作る」ではなく「共に作る」開発を大切にしながら、
クライアント様の“想い”を汲み取り、共に成長していけるチームでありたいと考えています。

受託開発をやってみて感じたこと

UHDでは普段SESや自社開発を行っていますが、
「クライアントと同じ視点で考え、責任を持ってリリースまで完遂する」
という受託ならではの体験は、チームにとって非常に新鮮でした。

納期や仕様調整などのプレッシャーもありつつ、
一方で「クライアントと共にプロダクトを形にする達成感」は格別でした。
今回の経験を通じて、UHDとしての開発力に加え、
クライアントとの対話力や提案力といった“チームとしての総合力”も大きく向上しました。

今後について

今後もUHDでは、受託開発・自社開発・SESをバランスよく行いながら、
“技術 × チーム × 信頼” の3つを軸にした開発体制を広げていきたいと考えています。

サービス立ち上げやMVP開発など、
「まず形にしたい」「小規模で試したい」といったご相談にも、引き続き柔軟に対応してまいります。

池本 雅昭

池本 雅昭

エンジニア